僕はまた家に住みたい。
暖かい場所が好き。
家族って言ってくれることが好き。

願ってみればいいやん?

人間は僕に言ってる…。

僕は目をそらして興味のないふりをした。

じぁね!

あ。。。。

窓が閉まってまた声と音が聞こえてきた。


声はきっと今の人間、音はあの木の長いのだ!

次の日また同じ場所で丸くなった。

また窓が開く。

今度は隠れなかった。

なんだまたいたのか!

僕は動けなかった。

いつもそこにいるん??

…僕は話すことはできない。

窓は閉めないといけないんよ…1人?

…猫だよ…1人だよ…。

よくわからない。
独り言が好きな人間だな。

次の日も僕は行った。

天気が良くて立ち止まることなく塀まで行った。

少し早くついた。

部屋が真っ暗で声もしない。

しばらく待っていると部屋の灯りがついた。

この人間も1人なのかな。

音が聞こえてきた。

今日は声も音も寂しく感じる。

どれだけ聞いただろう。毎日行った。

僕は街に行った時に音楽っていう言葉を聞いた。

音楽…。

声と音…そうか音楽をしているんだ。

毎日1人で音楽してるのかな…。僕が聞いた音楽はたくさんの人がいた。
1人なのは僕だけだよね…

その日窓は開かなかった。

次の日塀に行くと猫の餌が置いてあった。
入れ物に入っていた。

あの人間が置いたのかな…。

その日も窓は開かなかった。

次の日も猫の餌が置いてあった。

部屋の灯りがついてすぐに消えた。
その日は音も声もなく窓も開くことはなかった。

なんだ…。
どうしたんだろう…。

僕は朝までその場所にいた。人間が出てくるのを待った。

出てきた。

雨が降る中歩いて出て行く。

僕はついていく。

駅だ…人間が多い。

改札を通って人混みの中に消えて行った。

その日の夜は音も声も聞こえてきた。

僕が聞いていた声は歌っていうらしい。

窓が開く。

久しぶりにみる人間の顔。少し細くなった気がした。

今日もいたん?
ご飯食べた??

…また話しかけている。

こっちにくれば?
家ないんやろ?

…。。。入っておいでってことかな…

そんなところにいないでさ!おいで。網戸が開く。

…どうしよう。
罠なのか…罠か…。。。