僕はビックリして塀の下に隠れた。

そこには長い木に糸のようなものがピンと張ったものを持った人間が立っていた。

今日は満月。

月を見てるようだった。

糸が窓の枠にあたって音がした。

いつも聞いていた音だ!

あれから音がしていたんだ!!

車が通って僕を照らす。

人間は僕を見つけてじっと見ている。

口元があがって、目が細くなる。目の横にシワができる。

笑ってるみたい。

人間は家族といる時に笑う。だれかと話してる時に笑う。その顔は好きだったから家の中にいた時を思い出した。

僕も負けないように見た。

目をそらすと塀にトゲでもおかれそうだ。

時計の針がどのくらいか動いたころ

こっちを見て話かけている。

月見に来たん?

綺麗やろ?

…猫の僕に言葉がわかると思ってるのかな…

あの月は満月って言うんだよ。
もう過ぎてしまったけど、ブルームーンって言って願いを叶えてくれることもあるんだよ。

願い…願い…