家に帰っても外はずっと雨
シャワーを浴びても何もする気も起きない

ただ一点を見つめ、ボーッとするだけ…

その時…

ピンポーン

インターホンが鳴った

「来瞳!」と言い来瞳が帰ってきたと思い、玄関を開けた

そこにいのは…

「えらいシケタ顔してんな~!」と舞央が言った

俺が「なんで…おるん!?」と訊いてみると舞央が
「意味はない!ほな上がるで!」と言い、いきなり現れた

俺には、訳がわからず、舞央は、家にズカズカ上がる

すると舞央が「うわっ!広っ!来瞳は、こんなとこ住んどるんかいな!」と
言ってきた

俺は、「何しに来たん?」と訊いた

すると舞央が「久しぶりに会ったのに冷たいな~!お前の分も買ってきたで飲もうや!」と言い酒を袋から出し、テーブルに置いていく
訳がわからないままの俺は、「ほんま、なんでココ来たん!?」と舞央に訊いた

すると舞央が「ん…来瞳の事でな…」と答え、俺が「…えっ…」と言うと舞央が「この間、来瞳に相談受けたんや… 美雨の事でな…」と話始め、俺が「なんで…」と返すと舞央が「美雨とお前がどういう関係か訊かれたんや…」と言った

俺は、「ほんで知ってたんか…」と言い舞央の横へ力なく座った

そんな俺に舞央が「言うたのは俺やし…謝りにきた…」と謝った

俺は、「そんなんかまへんよ…悪いんは俺やし…」と言うと舞央が「そうや、お前が悪い!」と言い出し、俺は、「はっ!?だから俺が悪い言うてるやん!」と舞央に言い返した

舞央が俺に「お前は…誰にでも優し過ぎるねん…ちゃんと美雨に言ったんか? 」と訊いた
俺が「言ったけど…もう遅かった…」と言うと舞央が「そうか…」と言い俺は、「うん…」と返事をした

舞央が「来瞳から相談受けた時に心配やってお前からも話し聞こう思って来たんや …」と言い俺は、「そっか…すまんな…」と言うと舞央が「来瞳は、お前の事…ほんまに好きやぞ…だから美雨に言ってなかったのがショックやったんやろ…」そう言って酒を飲み干す

暫くして舞央が「なんでもっと早く美雨に言わんかったん?」と訊いてきた

俺が「ん…自分でもわからん…"まだ好き"ってのはなかったけど…モヤモヤだけあって…でも美雨に"やり直したい"って言われて、ハッキリしたんや。"罪悪感"があって言えへんかったんや…って。」と答え、舞央が「そうか…あっ…それ…」と言い棚に置いてあった、汚れた指輪の箱を指差した

俺が「あぁ…雨で汚くなってもーたんや…」と言うと舞央が「来瞳にか?」と訊いてきた

そんな当たり前の舞央の質問に「当たり前やんけ…渡せへんかったけど…」と俺は、言い舞央が持ってきた酒を開けた

すると舞央が「お前が…決心するとはな…(笑)」と笑いながら言い俺は、それに「まぁ…来瞳しか考えられんかったからな…」と言った

すると舞央が「なんや…2人共…同じ気持ちやん…」と言い俺は、聞き取れなかったので、舞央に「ん?舞央、なんて?」と訊き返した

すると舞央が「来瞳が言ってたで…お前といると"普通の女の子になりたい"って思ってしまうって…」と言い俺は、「…えっ…」と言った

舞央が「"いつか家庭も持ちたい、子供だって欲しい、でもそれは、明希じゃないと意味がない"ってさ…」と言い俺は、「……なん…や…ねん…それ…舞央…俺…今…幸せ過ぎて…泣きそうやわ…」と声を詰まらせながら言った

なぁ来瞳…

俺おかしいんかな…?

こんな時に…

俺は来瞳の言葉が嬉しくて…

幸せ過ぎて…

泣きそうやねん…

暫くして「来瞳にとって…何よりも大切なんはお前なんやろ…」と言い震える俺の肩を優しく叩く舞央

来瞳…

今なら…

まだ間に合う…?