「…で、あたしになんのご用?」
にこやかに接する。
どーせオニーサンもヤる気なんでしょ?
だったら利害の一致、さっさと済ませよーよ。
そう思っただけ。

「…キミを買いたいんだけど。」

「いくらで?」

「…十万でどうだ?」

「十五万。」

「…ハハッ、なかなかシビアだな。
営業、オレより向いてるんじゃないのか?」

「そういうトコ、キッチリするようにしてるの。」

なーんて、建前だけだけど。
でも、ここで立ち話している間だけ、すれ違いざまに目が振り向く。

「…ここじゃアレだし、奥行きましょ?」

あたしとオニーサンは、すぐ横の路地に入った。