「…入れば？」
「いいんですか!?」
「何か用事があるんでしょ。」
…そう言われると。
いや、特に用事というか…
ウン。はい、なんもないです。
ｶﾞﾁｬｯ
２度目の無計画訪問。
(…結局何の用事もないし…なんて言おう)
先輩に示しがつかない。
まあ、つかなくてもいいんだけどな。
「あー、清ねぇ入れたの？
その“とれないくっつき虫”」
だれが“とれないくっつき虫”だよ!!
とれなくねーよ!!つか、くっつき虫じゃねー！
「ホンット生意気なガキだな！」
「あ」
先輩が発した『あ』という言葉と同時に、俺はさっき口にした言葉を激しく後悔した。
「生意気な“ガキ”…？」
「…。」
なにも声がでません。
息止まってます、俺。
身体が変な方向に曲がってます。
もはや痛みも感じな「いわけねーだろ!!
いだだだだだだ…!!!!!!」
「訂正しろ」
「ちょ、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い！」
「はやく」
「陸、その状況じゃあ訂正すらできないと思うけど。」
「チッ
清ねぇに免じて許す。」
「ウェッホ、げっほ、ごほっ…!!」
「むせるだけでよかったね。」
先輩のフォローがなければ…
うわ、今寒気した。
「…で？
何の用？」
「うっ…」
「まさかなにも用が無かったなんていわな「いです。言いませんともワハハァー……………、
スミマセン。」
俺は冷え切った絶対零度の視線に耐えきれず、呆気なく観念した。
