「それでは改めて、一年S組さん。自己紹介をお願いします。」
司会の声で、現実に引きもとされた。
というか、今更ながら司会が男で良かったと思う。
女だったらきっと、「1年S組のォ龍太君!!自己紹介、おねがぁい」とでも言ってただろうし。

…うわ、想像してたら吐き気が…。
「一年S組の実行委員になりました、志堂龍太です。よろしく。」
…まぁ、確かに女子としては理想なんだろう。
イケメンで背が高くて、声が低くてお金持ち。
まぁ、夢見るくらいはいいんじゃない?
だって、そうでしょ?
自分になびく可能性なんて、何千兆分の1なんだから。

志堂君の動作一つ一つにきゃあきゃあ言って。
ほんと、馬鹿だと思うね。
王子様なんて、いないのに。
てか、お嬢様のくせに少女マンガ読み過ぎじゃない?
もっと経済誌とか、読もうよ。
まぁ、それ以前に幼稚だから無理か。

あー、これからの日本をこんな幼稚なヤツらが継ぐのかと思うと、目眩がしてくるね。
まったく、嫌になる。
生きてたくない世の中にはしないでほしい。
あたしの兄弟の未来まで潰されちゃあ、黙っていられないからね。

そんなことがあったら、あたしはコイツらを殺さなきゃ気が済まなくなる。
あたしを殺人鬼にしないでくれるかな。
なんか世間に、あの子狂ってるわーとかいう目で見られたくないし、あたし自身鬼にはなりたくないし。
まぁ、未来のことはどうでも良いか。