学校で。


「ハァ――――......」


昼休み、大きなため息をつくと、隣でノートに何かを書いていた萩尾くんがこっちを振り向いた。


「どうした?」


「萩尾くん......もうあたし、綾場さんの事で頭グッチャグチャなんだけど......」


あぁ、と萩尾くんは頷いた。


萩尾くんには、綾場さんの事を話していたからである。


「あの人、何か色々噂あるからな......」


萩尾くんが呟く。


噂?


中々問題があるとは聞いた事がある。


だけど、どんな問題があるのかは、あたしは知らなかった。