ミカンとおれんじ ~High School~

「楽譜1回見ただけで分かるのか......?」


そう尋ねる萩尾くんに、頷いて、


「うん、音符の高さとか記号とかで、だいたいは分かるでしょ?」


そう答えると、萩尾くんは感心する様に頷き、秋梨くんは眼を見開いたまま固まっていた。


......え?普通じゃないの?


「まぁ......良いか。夏見さん、弾いてくれない?」


その言葉に頷くと、ギターを出してセッティングし、軽く音を出した。


――――ジャンッ!!


うん、少し音は悪いけど......しばらく開けてなかったから、こんなものかな?


「よし、颯人の方は良いか?」


「キミらが来る前に準備しておきましたよっ」


萩尾くんの言葉に、秋梨くんが笑顔で答える。