~菜々緒side~


1年前。


アタシには、厳しい母と、アタシより何倍も優秀な妹の棗(ナツメ)がいた。


いつも妹ばかり褒められているから、アタシは母に褒められようと、県下トップの進学校――――『相澤高校』に合格するため、必死で勉強し、合格した。


だけど、母は、褒めてはくれなかった。


そればかりか、


「相澤高校だなんて上に行くよりも、少し下の方でいい成績を取った方が良かったんじゃないの?棗ならまだしも......」


と言って、せせら笑っていた。


悔しかった。母を見返したかった。