「……まなちゃんが好きだって言ってたのあいつ?」


あいつって……。


「れーおは……?どうしたの」


れーおの問には答えずに出来るだけ柔らかく、でも淡々と疑問を投げかけた。


「忘れ物」


そう短く答えたれーおの手には、私のイヤリングが握られている。


「これ……」


昨日、無いなと思ってたやつだ。


「…どこにあったの?」

「学校。ベンチの足元に落ちてた」

「そっか、ありがとう」