お昼を食べ終えて、気まずい空気のまま車を走らせれーおの家に向かった。
「家、どこ?」
「……………」
「れーお……?」
「……………」
「れーお!」
「…え、あ…何?」
「れーおの家、どこなの?」
れーおは車の窓から辺りを見渡して。
「いいよ、ここで」
「だめよ……れー…」
「いいってばっ!………本当、大丈夫だから」
れーお……。
声を荒げるれーお、初めて見た。
別れ際、切なく笑って
「ばいばい」
そう言うれーおを見て胸が締め付けられる。
れーおにそんな顔をさせているのは他でもない私だ………。
やっぱり、大丈夫じゃないわ……。
そう思ってシートベルトを外すけれど、車のドアを開けようとする手を引いた。
でも…。
もし、追いかけたとして私に何ができるの…?
変に期待させるだけじゃない…。
さっき、落ち込むれーおを放っておくぐらいなら無責任な優しさでもれーおを喜ばせてあげたい。
そう思って買い物に誘ったけれど。
あれ、うそだわ。
私はれーおを振って居心地の悪い気持ちを、れーおを喜ばせることで慰めただけなんだわ…。
れーおのためじゃなくて、私のためにやったの。
でも、それでれーおを更に傷つけてしまって…最低ね。
こんな私がれーおを追いかけて何ができるっていうの。
中途半端な優しさなんて一番傷つくって、私、良く知ってるじゃない。