「短大出て、会社に就職して。最初は分からないことがいっぱいあったわ。でも、会社ではそんなこと関係なくて……口うるさい部長によく怒られた。
涙ながらに仕事をこなして、でも分からないことがあって困って…
そんなときね、私の指導を担当されてた先輩が助けてくれたの。まぁ、上からの命令だから当然なんだけど…本当に嬉しかった。初めて会社が楽しいって思った。
それからは、先輩に助けてもらいたい反面、認めてもらいたくて頑張ったわ。
いつしか私は先輩に惹かれてた…」
苦しくなりながら、でも吐かずにはいられなかった。
「でも……」
喉に何かが引っかかって上手く話せない。
「昨日…フられちゃった…。結婚したの知っちゃって………告白さえ……出来なかったぁ……っ」
我慢したけど出来なかった。
止めてた涙は話し終わる前に溢れてしまった。
隣で、れーおの体が揺れたのがわかる。
びっくりさせちゃったかな……。
「ごめんね……。こんな話して…」
こんな……みっともないとこ見せて…。
後輩に何言ってるんだろう。
きっと、久しぶりに高校に来て気が緩んじゃったんだ。
帰ったらちゃんとしなきゃね………。
そう思ったその時…。
「……ーっ!」