観覧車を目指して歩いているうちに同じクラスの人や見かけたことのある顔が多くなり皆、観覧車のある遊園地へ話し声と一緒に足を運んでいる。
3年生とは行く場所が違うから、今遊園地へ向かって歩いている人は森山高校1年か、一般の人だけだ。
「人凄ーい!」
「やだー!」
同じ方向へ歩く人、忍達の方へ向かってくる人、どちらにして人だらけの中で忍は水の中に垂らした色がじわじわと進む光景を思った。
遊園地の入場口の前には人の集団が固まりになって6つあった。
甲高い声を上げる女子達やだるそうな表紙をした男子、生徒を睨み付ける学年主任に点呼をとる担任と、皆それぞれ色んな表情、行動、態度を取って集まっていた。
「忍達おはよう」
クラスの中心の女子達が2組の固まりの中へ入る忍達4人に向けて視線やら声を向けた。
「おはようございます」
もとからタメ口が苦手な忍は敬語で、他の3人は「おはよう」と口々に発した。