君がいないと落ち着かない


「本当にバカ」
さっきの駅で3人分の座席が空いたのに、1人立つことを選んだ林が忍とれー子の前で呟いた。
河崎と林は小学校から同じで付き合いが長く、高校からの忍やれー子よりも話す言葉や行動が親しい。
「どこにいるかって聞いた?」
れー子が林言う。
林が首を振って答える。
「聞けや」
林が嫌そうな顔をする。
「じゃあ、シノちゃんしてよ」
「ちょっと今日は携帯の調子が悪くて」
「おまえもかよ」
林がつっこんだ。
結局誰も送ることなく遊園地の近くにある駅で降りた。
改札を出ると前のビルの後ろに観覧車のてっぺんが見えて3人で「おぉー」と感動していると、河崎が林と忍の間に入ってきた。
「おはよう」
「「「おはよう」」」
3人の言葉が重なった。4人ともそのことに苦笑いを浮かべた。