君がいないと落ち着かない


上には襟のついた白の七分袖を選んだ。胸の部分に黒い文字でアルファベットが描かれているのがポイントなのか?は分からないが、それもシワに恐れず丸めて紅色の上に乗せた。
この七分袖の上に青いぶかぶかのパーカーを羽織ることにした。このパーカーは猫の柄でフードには黒い三角の猫の耳が付いていて忍のお気に入りだ。
ベージュの足首までのブーツを履いて、脇に置いてある服を着た自分の姿を思い描いた。
少しして目の前の山になった服をたたんでタンスにしまい、明日着ていく服は机の上に置いて布団の中に潜った。

「ふぁ~あ」
我慢できずに出てしまったあくびを出来るだけ手で隠した。目から滲む涙を擦る。
「またあくびですか青倉さん」
隣に座るれー子が呆れた口調で顔を覗き込んだ。
林を含め忍達3人は遊園地へ向かうため電車に乗って揺られている。河崎はこの電車には乗っているはずだが、車両を間違えてまだ合流出来ていない。