おどけた調子でれー子が言った。忍と林は、視線をれー子に向けて真剣な眼差しで「喜んで食べ尽くします」と言った。れー子は一瞬困惑の表情を見せたが、何もなかったかのような無邪気な笑顔を向けた。
「夜の分も残して置こうよ」
林が振り向いて、忍と視線を合わせて言った。うなずいてれー子がバックから取り出したビニール袋の中にポテトチップスやポップコーンなどのスナック菓子や、チョコレート菓子等か薄らとれー子を見た忍は、座布団から起き上がって低いテーブルの周りに置かれた座椅子に座ってビニール袋を見つめた。
「何食べようか?もうすぐ夕食だしね、グミでいいかい?」
ビニール袋の中を覗き込み、確認しながられー子が言った。
「あ~りがとうございます!」
「いえいえ」
紫色のプラスチック製の小袋から、パッケージより薄めの色をした丸いグミを、れー子が忍と林が出した手に1つずつ乗せた。丸い粒を口に入れると、歯が震える程甘かった。