この件に関しては父親がもっと強く反対すべきだ。
「向こうの父親は?」
「お仕事の都合でいないの」
「一人暮らしでもすればいいじゃねぇか」
「とにかく新しいお兄ちゃんができたと思えば、楽しくなるわよ」
話が面倒になったのか、母親は糸を切るように話を終わらせた。育実も空夜も強く反対しながら、不安に駆られた。
後日、育実と母親、空夜が病院へ行くと、彼は元気でどこも異常がないことを確認してから病院を出た。
「あんたさ、名前何だっけ?」
「空夜!」
「まだ言っていなかったね・・・・・・」
育実達が話していると、前を歩いていた空夜がいつの間にか後ろに下がっていた。
さっき、育実がこっそり名前を教えたのに空夜はすっかり忘れている。
「璃穏だよ、白沢璃穏」
「璃穏兄ちゃんだな。俺のことは空夜でいいからな」
「わかった、これからよろしくね。空夜」
少し前まで嫌がっていたのに、あっという間に弟の態度が変わった。
男同士で年齢もそれほど離れていないからか、すぐに仲良く話している。会話で盛り上がっている内容は育実の学校生活についてだったので、本人は憂鬱な気分だった。
「向こうの父親は?」
「お仕事の都合でいないの」
「一人暮らしでもすればいいじゃねぇか」
「とにかく新しいお兄ちゃんができたと思えば、楽しくなるわよ」
話が面倒になったのか、母親は糸を切るように話を終わらせた。育実も空夜も強く反対しながら、不安に駆られた。
後日、育実と母親、空夜が病院へ行くと、彼は元気でどこも異常がないことを確認してから病院を出た。
「あんたさ、名前何だっけ?」
「空夜!」
「まだ言っていなかったね・・・・・・」
育実達が話していると、前を歩いていた空夜がいつの間にか後ろに下がっていた。
さっき、育実がこっそり名前を教えたのに空夜はすっかり忘れている。
「璃穏だよ、白沢璃穏」
「璃穏兄ちゃんだな。俺のことは空夜でいいからな」
「わかった、これからよろしくね。空夜」
少し前まで嫌がっていたのに、あっという間に弟の態度が変わった。
男同士で年齢もそれほど離れていないからか、すぐに仲良く話している。会話で盛り上がっている内容は育実の学校生活についてだったので、本人は憂鬱な気分だった。

