「白沢君のお母さんはどうなったの?」
「あちこち骨折して、しばらくの間は入院。育実も息子さんに怪我を負わせたのよね?」
育実は小さく頷いた。それを見た母親は深い溜息を吐く。
「実はね、その息子さんの母親はお母さんが大学生の頃から友達で、とてもお世話になっている人なの。それで怪我が治るまで預かることになったの」
「そうなんだ・・・・・・ちょっと待って!?」
危うくそのまま聞き流してしまうところだった。
「お母さん!」
「聞いていないぞ!そんなこと!」
和室に入ってきたのは弟の空夜(くうや)。手には中学二年の数学の教科書を持っている。
わからない問題が出てきて、姉の育実に教えてもらおうと考えていたときに二人の話を偶然聞いた。
「勉強熱心ね、空夜。お母さん自慢の息子!」
母親は空夜にピースのサインを出している。
「誤魔化すなよ!本気で!?」
「本気よ。これから仲良くしてね」
「お父さんが反対するでしょ?」
「しないわよ。私が強く言ったら、何も言わなくなったから」
父親は母親にとても弱くて、母親の意見に反対することがあっても、母親に強く言われてしまえば、渋々受け入れることがある。
「あちこち骨折して、しばらくの間は入院。育実も息子さんに怪我を負わせたのよね?」
育実は小さく頷いた。それを見た母親は深い溜息を吐く。
「実はね、その息子さんの母親はお母さんが大学生の頃から友達で、とてもお世話になっている人なの。それで怪我が治るまで預かることになったの」
「そうなんだ・・・・・・ちょっと待って!?」
危うくそのまま聞き流してしまうところだった。
「お母さん!」
「聞いていないぞ!そんなこと!」
和室に入ってきたのは弟の空夜(くうや)。手には中学二年の数学の教科書を持っている。
わからない問題が出てきて、姉の育実に教えてもらおうと考えていたときに二人の話を偶然聞いた。
「勉強熱心ね、空夜。お母さん自慢の息子!」
母親は空夜にピースのサインを出している。
「誤魔化すなよ!本気で!?」
「本気よ。これから仲良くしてね」
「お父さんが反対するでしょ?」
「しないわよ。私が強く言ったら、何も言わなくなったから」
父親は母親にとても弱くて、母親の意見に反対することがあっても、母親に強く言われてしまえば、渋々受け入れることがある。

