昼休みに一緒にいたことをクラスメイトから聞いたことを言ってから、何を話していたのか知ろうとした。

「えっと・・・・・・ね・・・・・・」

 昼休みに話したことを育実に言わないよう、一桜に強く言われているので、正直に話すことができない。

「どうしたの?」
「い、いくみんの話だぜ!」

 決して嘘ではないが、言った後すぐに後悔した。

「そうなの!? どんな話をしていたの?」
「あ・・・・・・」

 予想通りの質問をされて、潤一はどう返事をすべきか考えた。
 一桜がどれだけ育実が好きなのか、自慢話をされたことにして伝えると、本人は照れている。

「一桜ちゃんってば、恥ずかしいよ・・・・・・」
「まあ、そんな感じの話をしていたんだ。じゃあな!」
「じゃあね」

 潤一はこれ以上話を長引かせたくないので、早足で学校から出て行った。

「私達も帰ろう。璃穏君」
「うん・・・・・・」

 慌てて帰った潤一の後姿を見ながら、璃穏は頷いた。
 家に帰るとまだ誰も帰っていないので、家の中には育実と璃穏だけだった。

「夕飯までまだ時間があるね」
「そうだね。何かする?」
「何かね・・・・・・」