璃穏は満面の笑みで微笑んでいて、育実はプレッシャーを感じた。

「はい!楽しみにしています!」
「それプレッシャーになるから!」

 母親、育実に料理をバトンタッチ。料理をするときは不思議と普段のドジはない。
 プレッシャーをかけられた育実は何とも言えない顔になった。育実は気になっていることをいろいろと彼に質問をしたかったのだが、店員が笑顔で料理を持ってきた。

「育実、月曜から弁当を作ってよ」

 空夜からの突然の頼みに育実は困惑する。

「どうして?今までそんなことを言わなかったのに・・・・・・」
「入院していた奴にそんなことを言うかよ!」

 夏休みの途中から二週間、育実は病気で入院をしていた。
 育実は入院していて家にいなかったので、退屈な日々を過ごしていた。

「それにしても、よく入院中も勉強していたな」
「だって遅れたくないから」
「病気を治すことだけ考えていればいいのに・・・・・・」

 育実の行動に空夜は納得していないようだった。

「病気で入院したんだよね?」
「普段のドジっぷりを見ていたら、年に何回も怪我で入院しそうなのにな」
「とんでもないことを言わないの!」