小さく悪態をつきながら、足音荒く晴樹の背後に近付き、


肩に手を添え、上半身ごと傾いて、その首筋に噛み付こう…とした。



「っわぁ!」


あと少しのところで、傾いていた側の肩に添えていた手を引っ張られ、


抵抗する間もなく、椅子ごと振り返った晴樹の膝の上に仰向けで倒れこむ。



「…なにしてんの。」


冷たい瞳で見下ろされる。



「きゅ、吸血鬼になってました…」



晴樹にこうやって見つめられると、


さっきの拗ねた気持ちなんか一瞬でなくなってしまう。