落ち着かない気持ちを抱え、


いつもは5分ぐらい浸かるお風呂も、今日は30秒ぐらいで満足した。



生乾きの髪に櫛を通して



「よし……っ!」



気合いを入れるために、1つ頷く。




洗面所の鏡に映るのは、吸血鬼に扮した自分の姿。


強張った表情に気付いて笑ってみるも、引きつった笑みになってしまう。



期待と、それ以上の不安で張り裂けそうな胸を感じながら、


扉をそっと開けて、晴樹の元へ向かった。