反射的に謝ると、小さな溜め息が聞こえた。


心が絞られたように苦しくなって、涙が盛り上がってくる。



飽きられちゃったかな、迷惑だと思われたかな…。



椅子のきしむ音がして、下げた視界の端に晴樹が映る。


晴樹が近づいてきて、その見える範囲が広くなって、それさえも嬉しくて。


不意に手を上げたのが分かって、身を竦ませて歯を食いしばった。



だけど予想とは裏腹に、ただ頭に温かい重みがのって、その手は数回髪を撫でて離れていった。



「面白かった?」


問いを繰り返す晴樹の声はすごく優しくて、溢れていた感情が溢れ出す。



「さみし、かった…。」