絶え間無く動くグラフ、沢山の数字、蟻の行列のように羅列した英語…。


目眩がして、すぐに視線をそらした。


こんな難しいことをやってるんだから、余計邪魔はしたくない。


ほんの少しの隙間でもあればすぐに溢れてきそうな寂しさをぐっと堪える。




その影響からなのか、思ったより力を入れて押し込んだ絵本が


本棚の奥とぶつかって響きの良い音を立てた。




短く息を吸い込んで、恐る恐る後ろを振り返る。



「……面白かった?」



眼鏡を外しながら、晴樹はそう問う。思わず肩が震えた。



「ご、ごめんなさい。」