泥に汚れた綺麗な着物。
そこに見受けられる赤い斑点。
それは自らの流したものか、それとも…
「フィノー!フィノじゃないか!フィノー!!」
「近寄るな!このエロガキ!」
フィノを目にするなり頭上の悪魔を払いのけ駆け出すリゲル。
喜びはしゃぐ彼が近づいて来た事に気づいたフィノはフッと息を吹き前方に氷の壁を造り出す。
「何だよ壁なんか造って。怪我してるんだよね?僕が治癒してあげるよ」
行く手を阻む氷の壁にぶつかりそうになりながらもにこやかに微笑むリゲル。
その手はどこか嫌な動きを見せる。
「そんなに酷い傷では無いわ。それに、貴方に治癒して貰うなんて願い下げよ」
「そんな事言わないでさぁ、ね、フィノ」
鋭く睨むフィノは下心丸見えのリゲルに治癒されてたまるものかと後退る。

