暫く足を進めた後、前方に現れたのは一本の巨木。


それはそれは高くそびえ立つ樹木は永き月日を経てきたのだろう、ごつごつとしたその幹は太く頑丈そうなものだった。




 「……?」


巨木に近づいたレノリアは其処に居る何者かの存在に気づき足を止め、共に居たアスラも彼女と同じく巨木の傍で立ち止まる。


散った葉の広がるその根元、幹に寄りかかり瞳を閉じる1人の少年。


静かに眠るその少年は他者の存在に気づいたのかゆっくりと片目を開けた。