「もう目を開けて大丈夫だ」


直ぐ傍から聞こえた声に反応し瞳を開くレノリア。


ハッとした彼女は掴んでいた服を放しアスラから離れ、ほんのりと頬を染めながら1つ咳払いをし辺りを見回した。




目の前に広がるのはモノクロの世界。
白と黒のみで形成された不思議な世界。



星が瞬き始めた筈の暗い空は真っ白で、鮮やかな筈の草花さえも色が無い。


何もかもが白と黒。

光と闇、明と暗で区分された世界が目前には広がっていた。