赤い雫が頬を伝うが既にそこには傷は無い。
苛立ちを覚えたアスラは押さえつけていた男性を銃を放った女性へと放り投げた。
「消えろと言っているのが分からないのか?」
普段なら、アスラの正体が判明した瞬間適わないと分かり退いて行く。
相手は不老不死、幾ら攻撃をしても何の意味も成さないのだから。
しかし、今出会したこの5人は逃げる素振りを全く見せず、武器を手にしたまま戦闘態勢を崩す事は無い。
人を殺す事も傷つける事も好まないアスラ。
どうにか言葉と態度で圧倒してみせるが…
「う、うろたえるな!不老不死だろうと倒す事は可能だと彼は言っていた!」
「そうよ!現に彼の助言によりあの雪女を仕留める事ができた。それもこの距離から一撃で!」
チームをまとめているであろう男性の言葉に便乗する女性。
2人の姿に残る3人も立ち向かう事を諦める様子は無く、アスラの願いは叶いそうもなかった。

