「さぁ、マリア…」




姉シスターに銀の十字架を渡され、微笑む。




…小さい頃から神を崇め



この教会、神だけを信じてきた




毎日のミサは欠かさず



祈り、崇拝し、賛美の歌を捧げる




今日は100年に一度行われる神の儀式。

そのミサで私はミサ曲を唄うのだ。




とても名誉なことで、緊張してしまう



ふと、暖かい風が頬を通った





私は知らなかったんだ


この神の儀式が、生贄の儀式だったなんて…






舞台に立って息を吸ったとき、視界が歪んで私の意識は途切れた。