コメント欄ではなく、記事内でコメントの返信をしている彼。
ほかの人達への返信に紛れそうななかでも、それは特別な手紙のようだった。
彼にわたしを認識してもらえた。
わたしの名前を知ってもらえた。
HNだけど。
そんなのはどうでもいい。
舞い上がる心にわたしは気づいた。
わたしは、彼に恋をしているのだと。
自分の恋心を自覚してからは、彼のブログが更新されるたびにコメントを残した。
同い年という話題から始まり、なし崩しに仲良くなっていった。
記事が書かれるまでの間は、もらった返信を眺めてにやけながらやり過ごした。
学校にいてもそれはおなじで、授業中でも休み時間中でも構わず彼の言葉を読み返し、眺め、彼を想った。
友達のわたしを不審がる目も、となりの席の男子の、兄貴の部屋から持ち出してきたという、ピンクローターの振動音ですら気にならなかった。



