彼のブログに初めてコメントをしたのは、読者になってから1週間ほど経ってからのことだった。


その日の彼は少し落ち込んでいた。


『こんばんは。今日は美咲と少しケンカをしました。美咲はよく、自分を責めています。自分の所為でたくさんの人に迷惑を掛けている。俺もそのうちの1人だと。俺はそんなこと思ったことなくて、そう思ってるって思われたことが嫌で、ちょっと怒ってしまいました。美咲は謝っていたけど、すぐには許せなくて、ケンカしたまま別れてきてしまいました。明日、俺からも謝ろうと思っています。』


胸が痛んだ。

なんて健気なんだろう。

わたしの知っている男という生き物は、昼休みに教室でコンドームを膨らませて女子の反応を見て笑い、終いにはバレーボールをするような野蛮な連中だ。

わたしのところに飛んできた、下品なボールを弾いた時のあの感触は絶対に忘れない。

あぁ、それなのに彼は…。