望みのない恋だったけど、もしかしたらなんて思ったことなかったけど、これで失恋が確定した。

残酷なほどに。

少しの慈悲も与えずに。


彼は未完成なんかじゃない。

完成品だった。

美咲の産んだ、将來という少年は、少なくともわたしの知る人のなかでは誰よりもやさしく、美しく、人として完成品だった。

もうどこにもいないけど…。


押し寄せる哀感と、手に負えないほどの彼への悔恨に、ひたすらに、わたしはむせび泣いた。








incomplete


未完成な僕たちは
同じ明日を知らぬまま
完成を目指して歩き出す
1つになれるその日まで