雨のち晴れ



これ以上睨まれるのも嫌だから、とりあえず変人の元へ足を進めた。


今日もまたニコニコ顔の変人さん。


「めちゃくちゃ待ったんですけどー」


「私来るなんて言ってないでしょ。第一あんたさっき30分しかって自分で言ってたじゃん」


「アメは絶対来ると思ったー。30分はめちゃくちゃの中に入るんですー!」


「ブランコ貸してあげればよかったのに。本当大人気ない」


何故かすんなり普通に話せている自分に吃驚だ。


変人の話す話はくだらない。でもつまらなくもないし、居心地悪くもない。


今日は雲が蛙みたいな形してた、車に水かけられた、チョコミント味のソーダがなかなか美味しかった…とか。


私は、へー、そうなんだ、とか相槌だけ。


「もう6時だ…暗くなってきたしもう帰ろーか。」


「うん」


「また明日も会える?」


「…さぁ」


「期待して待ってる」


私は今日も返事をせずに公園をあとにした。