雨のち晴れ



キラキラした笑顔も、ふざけた会話も、緩い話し方も、真っ直ぐな性格も、今なら全部カッコ良くみえてしまう。


私って現金かもしれない。一回優しくされたからって…。


でも、多分違う。


優しくされたから好きになったんじゃない。


出会った時から、腕をつかまれた時から、変人の事は好きになりかけていたのかもしれない。


誰でもって訳じゃない。


“倉木 怜”だから好きになったんだ。


でもね、この気持ちには蓋をするよ…。


伝えちゃいけない気がするから。


今の距離のままが一番いい気がするから。


完璧に蓋が出来るまでは、好きでいていいかな?


「ありがとう、れー」


多分怜には聞こえてない。