雨のち晴れ



「泊まってくー?」


「え?」


「帰りたくなさそうだからさー。」


「…」


毎度毎度こいつは言うこと滅茶苦茶だ。


出会った時から、ずーっと滅茶苦茶。


でも何でだろう…変人の前では素直でいられる。


何で…素直に頷いてしまったんだろう…


「よし!じゃあ飯!何たーべるー?」


「…オムライス」


「おっ!俺もオムライス好きー!じゃあ早速行こう!俺いい店知ってる」


トクン―――…


え…?


今トクンってしたような…


顔を上げると、痩せ型だけどしっかりした広い背中。色白だけどたくましく見える。


あぁ、バカ。変人のバカ…


好きに…なっちゃったかもしれないじゃん…