雨のち晴れ



表紙の所と一番最初の真っ白なページにサインしてくれた変人。


まず、サインよりも中が見たい。


ベッドの上に座って読み始める。


「…」


「…」


私は本を読み、変人はパソコンに向かって原稿を仕上げる。


カタカタとキーボードを叩く音しか聞こえない。


あ、やば…面白い。


カシャ


「え?」


「ナイスショットー!」


「は?」


左手でカメラをちらつかせて、右手でピース。


左目でウインクしている変人は、今紛れもなく写真を撮ったに違いない。


「いやぁ、アメがさ、笑ってるんだもん!撮らざるおえないでしょー」


笑って、た…?


そりゃクラキ…変人の書いた小説が面白かっ…た、だげ…


「え?」