雨のち晴れ



私は変人の馬鹿力にまた腕を掴まれ強制連行。


変人の家はあの公園から歩いて5分ほどのマンション。


中の上…的なマンションに住んでる変人。


ってか近くね?


私の家、あの公園から歩いて20分はかかるんですけど。


「ゆっくりしててー!お腹空いたりのど乾いたら、適当に冷蔵庫漁っていいからー。暇ならあっちにゲームもあるし、そこの棚には俺が書いた本もあるし!なんなら寝ててもいーよー!」


「…クラキってあんただったんだ」


試しに変人の本を読んでみようと本棚を見たら、意外にも変人は今大人気作家の『クラキ』だったらしい。


『時に儚く』でデビュー。
デビュー作はいきなりの300万部のヒット作。
次に出した『愛する人』は600万部越え。
そして映画化にもなった。
クラキが出した本は必ず売れる。
そして3冊中1冊は映画化になる。


実は私もファンだったり…


「アメもしかして俺のファンー?キャー、うっれしー!」


でも、“これ”があのクラキでしょ?


私の想像してたクラキとは全くもってかけ離れた性格をしている。


「あ…これ出てない」


「さすがアメ様!お目が高いっ!それは俺が暇つぶしに書いてた非売品だよー。なんならそれにサインしてアメにあげよーか?」


「…欲しい。」


「ははっ!OーK、OーK。アメになら沢山サインしちゃる!」