「うっ」
健吾の顔を見て、思わず焦りの声が出る。
すると健吾はソファーから立ち上がり、こっちに向かって歩いて来た。
思いっきり側まで寄り、上からさっきと同じ視線で見下ろしてくるので、その圧力に負けてしまう。
「へ~友達?俺は楓のお友達なんだ~」
方眉を上げて、わざと嫌味な口調で言ってくる。
う~どうしよう・・困ってしまい唇を結んで少し噛みながら視線をそらす。
「だって・・何て言っていいか・・」
そう、健吾のことどう言ったらいいのか分からない。私は健吾のこと『好き』って言葉を伝えたけど、健吾がどう思っているかはまだ聞いてないし。付き合うとかも話題に出ていないし。
そしたら健吾のこと勝手に彼氏とか言えないし・・
「ふ~ん」
そう聞こえたと同時に、健吾が私の顔を覗き込んできた。
目の前に健吾の顔があり、目と目が合って思わず瞳が開いてしまった瞬間・・・健吾の唇が重なった。
瞳は開いているのに、何も見えなくて・・・分かるのは唇の柔らかさと、温かい温度。
思考が回る前に健吾が唇を離して、また視線を合わせてきた。
「楓は友達とこういうことする?」
「しない・・」
ふるふると頭を振って健吾を見つめる。
「俺もしない」
優しくささやくように言った。
そう言ってくれた健吾の言葉に、さっき母親との電話で【友達】と言ってしまったことを申し訳なく思い、
「ごめんね、友達なんて言っちゃって」
健吾の瞳を見て謝ると、「いいよ」と笑顔を見せてくれた。
その笑顔で心が温かくなって、私も笑顔になれた。
「俺が気持ちを伝えてないから彼氏って言えなかった?」
「・・うん、勝手に言っちゃいけない気がして」
健吾が真っ直ぐ言ってくれたから、私の思っていることも言えた。
「ごめんね」
もう一度健吾に謝ったと同時に、優しく抱きしめられた。
力を入れず包み込むように。
「俺が言っても信じてくれる?」
抱きしめられたまま顔が見えない状態で、健吾が不安そうに聞いてくる。
どうして不安そうに聞いてくるのかは分かっている。
さっき気持ちを受け止めてくれた時に、ちゃんと言ってくれたから。自分が今言っても信じてもらえないだろうからって。
だけど今、顔が見えなくてもこの温かく包まれた優しさに、全てを信じたくなった。
「うん、信じる」
頷いて答えた私からゆっくり身体を離した。
それでも背中に回された手は、さっきと変わらず私の身体を包んでいる。
そして私の瞳を優しく見つめて、甘い声でささやいた。
「好きだよ」
その言葉が聞こえた瞬間、心がキュッと甘い痛みを与えた。
言い表せない感情が込み上げて、意識とは別に涙が瞳に溢れてくる。なんとか堪えようと唇を噛んだけど、目頭からポロッっと流れてしまった。
「うん・・うん・・」
健吾の気持ち・言葉が嬉しくて何度も頭を縦に振る。その度に涙が落ちる。
笑顔も見せられず、言葉も出せず、でも健吾の気持ちと言葉をちゃんと受け止めたことを伝えたくて、精一杯頷いた。
「楓、ずっとそばにいて」
「・・はいっ」
涙で歪んだ顔のままだったけど、健吾の顔を見上げ心を込めて答えた。
-私も健吾にずっとそばにいて欲しいー
「ありがとう」
嬉しそうに健吾が笑った。
そして私の唇に視線を落として、もう一度キスをした。
優しく、唇を合わせるように。ゆっくり唇を押し付けるようにキスをするので、感触が伝わってくる。健吾の唇の形まで。すごく気持ちがいい・・・
その唇が愛しくて、以前触れたことを思い出す。健吾が酔ってキスした時のことを。
そして意地悪な質問をしてしまう。健吾が間違えると分かっている質問を・・
唇を離して近距離から健吾の瞳を見て問う。
健吾の顔を見て、思わず焦りの声が出る。
すると健吾はソファーから立ち上がり、こっちに向かって歩いて来た。
思いっきり側まで寄り、上からさっきと同じ視線で見下ろしてくるので、その圧力に負けてしまう。
「へ~友達?俺は楓のお友達なんだ~」
方眉を上げて、わざと嫌味な口調で言ってくる。
う~どうしよう・・困ってしまい唇を結んで少し噛みながら視線をそらす。
「だって・・何て言っていいか・・」
そう、健吾のことどう言ったらいいのか分からない。私は健吾のこと『好き』って言葉を伝えたけど、健吾がどう思っているかはまだ聞いてないし。付き合うとかも話題に出ていないし。
そしたら健吾のこと勝手に彼氏とか言えないし・・
「ふ~ん」
そう聞こえたと同時に、健吾が私の顔を覗き込んできた。
目の前に健吾の顔があり、目と目が合って思わず瞳が開いてしまった瞬間・・・健吾の唇が重なった。
瞳は開いているのに、何も見えなくて・・・分かるのは唇の柔らかさと、温かい温度。
思考が回る前に健吾が唇を離して、また視線を合わせてきた。
「楓は友達とこういうことする?」
「しない・・」
ふるふると頭を振って健吾を見つめる。
「俺もしない」
優しくささやくように言った。
そう言ってくれた健吾の言葉に、さっき母親との電話で【友達】と言ってしまったことを申し訳なく思い、
「ごめんね、友達なんて言っちゃって」
健吾の瞳を見て謝ると、「いいよ」と笑顔を見せてくれた。
その笑顔で心が温かくなって、私も笑顔になれた。
「俺が気持ちを伝えてないから彼氏って言えなかった?」
「・・うん、勝手に言っちゃいけない気がして」
健吾が真っ直ぐ言ってくれたから、私の思っていることも言えた。
「ごめんね」
もう一度健吾に謝ったと同時に、優しく抱きしめられた。
力を入れず包み込むように。
「俺が言っても信じてくれる?」
抱きしめられたまま顔が見えない状態で、健吾が不安そうに聞いてくる。
どうして不安そうに聞いてくるのかは分かっている。
さっき気持ちを受け止めてくれた時に、ちゃんと言ってくれたから。自分が今言っても信じてもらえないだろうからって。
だけど今、顔が見えなくてもこの温かく包まれた優しさに、全てを信じたくなった。
「うん、信じる」
頷いて答えた私からゆっくり身体を離した。
それでも背中に回された手は、さっきと変わらず私の身体を包んでいる。
そして私の瞳を優しく見つめて、甘い声でささやいた。
「好きだよ」
その言葉が聞こえた瞬間、心がキュッと甘い痛みを与えた。
言い表せない感情が込み上げて、意識とは別に涙が瞳に溢れてくる。なんとか堪えようと唇を噛んだけど、目頭からポロッっと流れてしまった。
「うん・・うん・・」
健吾の気持ち・言葉が嬉しくて何度も頭を縦に振る。その度に涙が落ちる。
笑顔も見せられず、言葉も出せず、でも健吾の気持ちと言葉をちゃんと受け止めたことを伝えたくて、精一杯頷いた。
「楓、ずっとそばにいて」
「・・はいっ」
涙で歪んだ顔のままだったけど、健吾の顔を見上げ心を込めて答えた。
-私も健吾にずっとそばにいて欲しいー
「ありがとう」
嬉しそうに健吾が笑った。
そして私の唇に視線を落として、もう一度キスをした。
優しく、唇を合わせるように。ゆっくり唇を押し付けるようにキスをするので、感触が伝わってくる。健吾の唇の形まで。すごく気持ちがいい・・・
その唇が愛しくて、以前触れたことを思い出す。健吾が酔ってキスした時のことを。
そして意地悪な質問をしてしまう。健吾が間違えると分かっている質問を・・
唇を離して近距離から健吾の瞳を見て問う。



