二人で足音を合わせながら階段を上り、楓の部屋に向かう。
自分の肩を抱いている健吾の手をチラッっと見て、鼓動が大きくなる。
こんなにそばにいてくれる健吾の存在が、まだ私には実感がなくて。肩から背中に感じる健吾のぬくもりを、まだ戸惑いでしか感じることができなかった。
部屋の前に立ち、バッグ中から部屋の鍵を探す。
指先に触れたキーケースを手に取り、目の前の鍵穴に挿す。カチャンと音をたてて開錠し、ドアを開けた
。開いたドアを健吾が持ってくれて、私が先に入り壁の右側にあるスイッチを押して玄関の照明をつける。
そして振り向き健吾に声をかけた。
「どうぞ」
「おじゃましまーす」
部屋の照明をつけてテーブルの上に置いてあるエアコンのリモコンのスイッチを押し、コートを脱いでハンガーに掛ける。そして健吾のコートも預かり、同じようにハンガーに掛けた。
「すごく久しぶりだな」
「ん?」
「ここに来るの」
「うん、そうだね」
そう・・だって健吾は伊東さんを好きになったから。
昔みたいにあたり前に一緒にいる時間が減って、飲みに行ったり出かけたりはしても、うちでゆっくりすることはなかった。
だからまたここに健吾がいるのは何かドキドキというか、恥ずかしいというか意識してしまう。
とりあえず健吾にはソファーに座ってもらい、キッチンでコーヒーの準備をする。
コーヒーメーカーにコーヒー豆を入れ、ミルのボタンを押すと粉状になった豆が香りを放った。
そしてフィルターに移し、水を入れスイッチをいれる。
コーヒーカップの準備をしようとしたところでスマートフォンの着信音が鳴り響いた。
自分の肩を抱いている健吾の手をチラッっと見て、鼓動が大きくなる。
こんなにそばにいてくれる健吾の存在が、まだ私には実感がなくて。肩から背中に感じる健吾のぬくもりを、まだ戸惑いでしか感じることができなかった。
部屋の前に立ち、バッグ中から部屋の鍵を探す。
指先に触れたキーケースを手に取り、目の前の鍵穴に挿す。カチャンと音をたてて開錠し、ドアを開けた
。開いたドアを健吾が持ってくれて、私が先に入り壁の右側にあるスイッチを押して玄関の照明をつける。
そして振り向き健吾に声をかけた。
「どうぞ」
「おじゃましまーす」
部屋の照明をつけてテーブルの上に置いてあるエアコンのリモコンのスイッチを押し、コートを脱いでハンガーに掛ける。そして健吾のコートも預かり、同じようにハンガーに掛けた。
「すごく久しぶりだな」
「ん?」
「ここに来るの」
「うん、そうだね」
そう・・だって健吾は伊東さんを好きになったから。
昔みたいにあたり前に一緒にいる時間が減って、飲みに行ったり出かけたりはしても、うちでゆっくりすることはなかった。
だからまたここに健吾がいるのは何かドキドキというか、恥ずかしいというか意識してしまう。
とりあえず健吾にはソファーに座ってもらい、キッチンでコーヒーの準備をする。
コーヒーメーカーにコーヒー豆を入れ、ミルのボタンを押すと粉状になった豆が香りを放った。
そしてフィルターに移し、水を入れスイッチをいれる。
コーヒーカップの準備をしようとしたところでスマートフォンの着信音が鳴り響いた。



