柊くんの匂いが鼻の奥に届くとようやく息が出来た気がした。 「おい、王子、何があったんだよ」 柊くんの低く険しい声が耳に届く。 「…別に何も?真衣さんが何でもかんでも首突っ込んでくるからでしょ」 「何を突っ込んできたんだよ」 「あなたには関係ない」 張りつめた空気が怖かった。