立ちすくんで涙を流す私を遥と先輩は心配そうに見ていた。 何て言ったら良いのか分からない。…そんな表情であった。 周りが…世界がモノクロになって、どんどんぼやけていく。 みんな何も言わず重苦しい空気が漂う。 「真衣!!」 そんな沈黙を破ったのは、柊君の声だった。 「だ…いき…」 ボロボロと涙を流す私を見て息を切らして走ってくる柊君。 「ま、真衣…?」 勢いよく私を自分の胸の中に収める柊君。 どこかの漫画にある光景のように、泣き顔を隠すかのように、私を顔を胸に押し付けた。