「真衣?…何してんの?」
「あはは。真衣ちゃん、イケメンにくっくけて幸せって顔してるねー」
王子の胸にピッタリとくっついていた私を柊くんと先輩が覗き込んで呆れたように言った。
「先輩方、おはようでーす」
王子は全く気にした様子もなく、2人に挨拶を交わす。
私は羞恥心が込み上げてきて、王子からパッと離れた。
「うわぁ!王子ごめん!あまりにも甘い匂いが気持ちよくて…」
「真衣さん、その発言エロすぎ」
王子はニヒっと子どものように笑った。
そして、遥がいなくなったことを残念そうにして「俺も教室行くわー」と、足軽に去って行く。
その様子を、ただ見つめていた。


