次の日、学校に着くと王子が遥を追いかけ回していた。
それを見て見ぬ振りをしようとパッと目線を反らせたが、遥に見つかった。
「真衣っ!あんた今、無視しようとしたでしょ!」
「え?あれー?ハルちゃんと王子じゃーん。おはよー」
「白々しい!」
遥は怒っている。
そして、私の腕を掴むと王子の方に私をドンと押した。
私はその勢いで王子の胸にスポンと収まった。
「種村くん、真衣ならイケメン大好物だから、好きにしていいよ」
……はい?
「俺は遥の方が好みなのっ」
…はぁ?
いつもはクールビューティーな遥は、そのまま足早に教室へ逃げていってしまった。
王子の「あー、はるかぁ」と、落胆する声が聞こえる。
私はというと、傲慢王子であろうとイケメンの胸の中にいることが最高に幸せだった…。
あたしって……


