パっと柊くんを見ると、顔を真っ赤にして私から目を逸した。
「う、嘘…」
あんな真面目で、私より純情そうな柊くんが柚花と!?
鈍器で頭を殴られたような衝撃が走った。
「真衣さんって、本当に純情なんだねー」
クスクスと笑う王子より、真っ赤に顔を染める柊くんの方が気になる。
付き合っていたら当たり前なの?
そそそそんなこと、みんなしてるの?
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「真衣?大丈夫?」
「真衣ちゃん?おーい」
どうやって、王子と別れたのか。
どうやって、学校を出たのか、あんまり覚えていない。
そして、なぜ今、ここにいるのか…
それも覚えていない。
「大樹…柚花…」
なぜ、私は柚花に家にいるのか。
そうーー私がいなかったら今頃二人はセセセ…セセセセ…
いや、ダメだ。やっぱり卑猥なことは考えられない。


