Produce!〜高校デビューしませんか?〜




教室に入ると、やはり皆、机に向かって勉学に励んでいた。
柊くんも元が真面目だからなのか席に座るとすぐに次の授業の予習を始める。


仕方なく私も自分の机から古文の教科書を出した。
すると、クラスメイトの女の子二人に「朝比奈さん」と話しかけられた。


このクラスになって7ヶ月。
話しかけられたのは初めてなんじゃないかって勢いだったから余計に驚いてしまった。




「ど、どうしたの?」

「あ、あのね…聞きたいことがあるの…。あの、ひ、柊くんと付き合ってるの?」


真っ赤に染められた頬がとても印象的だったのは、外に彩られた紅葉が思い出されたからかもしれない。
とにかく恋バナなんてしたことがないのだろう。



「大樹が、好きなの?」

コクと小さく頷く彼女はとても可愛かった。
見た目は全くパっとしないのに、とても可愛かった。