「あー、疲れたっ!」
「あは。ハルちゃんお疲れ様」
いつもクールビューティーな遥が、屋上から教室へ戻る廊下で珍しく両手を上にあげて伸びをする。
王子は昼休みが終わるまでずっと遥の側を離れなくて、
最終的には顔を遥の肩に乗せてベッタリとくっつく始末だった。
「だいぶ気に入られてたね。山本さん」
先輩が遥に言うと、遥はかなり冷めた顔つきで言い放った。
「ああいう自分勝手に人をかき乱す人、私は好きじゃないです」
……うーん。分かる気がする。
私も王子みたいな傲慢な人は得意ではない。
うんうん。と頷いていると「でも、真衣も強引だよね」と、横から柊くんが言う。
みんなもなぜか、うんうんと頷いていた。
「ちょっ!そんなこと言うなら先輩だって自分勝手ですからね!」
「俺!?今、俺の話しだった!?」
廊下でギャーギャーとそっちの方が強引だ!自分勝手だ!と話していると、遥が「あんたたち皆そうだよ」と冷たく言い放った。
シュンとする3人。
そのままのテンションで各自教室に入った。


