Produce!〜高校デビューしませんか?〜




オンザスイーツとは、ランチやディナーももちろんあるけれど、基本は結婚式会場。
奥まで光が届いて清潔感あふれるチャペルと、そこで働くスタッフの高い評価で人気絶頂の場所。


先輩と結婚式会場ーー
全く接点がない…



「ねえ、大樹。嫌な予感がするのは私だけ?」

「いや、俺も多分同じこと考えてる…」


顔を見合わせると、青ざめた二人の顔。


まさか…いや、だけど、あの猛突猛進の先輩ならやりかねない。




「結婚式に殴り込み!?」


二人の声が揃ったところで、私たちはオンザスイーツまでの道のりを走った。
柊くんは颯爽と走るけれど、元々運動なんてしない私は着いていくのもしんどかった。
そんな私を振り返って彼は心配そうに見つめたあと、グイっと手を引いてくれる。


不覚にも胸の鼓動が高まった。
彼の体温が手を通して伝わってくる。


今、そんなことを考えている場合ではないのに、私の鼓動は早くなる一方で。
手にこめられた力がより一層強くなる。