Produce!〜高校デビューしませんか?〜




✽ ✽ ✽


午後14時。駅前に着くと、すでに柊くんがいた。
ベージュの綿パンにサマーニットを着て立っているその姿に振り向かない人はいない。



「大樹っ」

「あ、真衣。おはよう」

「おはよう…の時間ではないよね」


確かに。
と、彼はポケットにしまっていた手を額に持っていき、満面の笑みを見せた。


周りを見渡しても先輩の姿はない。
午後14時と指定してきたのは先輩なのに、一体どういうことか。と、思っていると柊くんの携帯電話の着信が鳴り響いた。



「あ、先輩だ」

「え?いつ連絡先交換したのよ」

「昨日、真衣送ったあとに…もしもし?先輩?」


はい。はい。と先輩と話している柊くんを見て、ぬかりない男だなと思った。
なぜ、柚花のことになるとあんなにダメンズになるのか。



「えっ?ちょ…先輩!?どういうことですか?もしもし?……切れた」


柊くんの驚いた声に私も目を見開いた。



「ど、どうしたの?何?」

「なんか、オンザスイーツに来て欲しいって…」

「え?」