Produce!〜高校デビューしませんか?〜





少し大きめのダメージジーンズに、シンプルな黒のTシャツを合わせて。
首元には控えめに光るシルバーのアクセを下げた。
ジーンズのポケットに財布とかを入れれば良いと言ったけれど、先輩は頑なにそれを嫌がった。

だから、それに合わせるように斜めがけのカバンを背中にかける。



服装は決まって、次は靴。
近くにあったシュープラザでその服装に合わせてバンズの靴を買った。




「先輩。格好良いですよ」

「背があるから似合いますね」


私も柊くんも大絶賛した。
先輩は「そうかな。やっぱりあのドクロの方が…」ってブツブツ言うから、もう無視することにした。


服はガタイの良い先輩にはかなり合っていて。
それなのに髪型だけは不潔さが勝っているから、早く19時になって欲しいと思い時計を見ると18時を回っていた。



「あ、先輩。もうすぐ時間ですよ」

腕につけた時計から目を離さずに先輩を手招きする。
柊くんも先輩も「もうそんな時間!?」と驚いて、歩き出した。



ここから美容室までは20分もあれば着くけれど、どこかに入って時間を潰すほど時間に余裕がない為、早めに行って待つ事にした。