栄えた街でメンズの洋服を探すのに時間はかからない。
無精髭を見て思ったのがワイルド系イケメン。
ワイルドな人が、実は目が優しいなんてギャップは女子の心にズンとくる。
綺麗に陳列された洋服を見ていくと「真衣、これどう?」と、柊くんが子どものような笑顔で近づいてくる。
彼の顔がもろ私のタイプだから困る。
「…て、大樹?真面目に探してよ。こんなの誰が着るの!」
ギットギトにスパンコールがついたTシャツ。
「え…俺、超真面目なんだけど…」
柊くんは捨てられた仔犬のような目をして明らかにシュンとした顔を見せた。
彼は大真面目で言っていたのだ。
「朝比奈さん。これなんてどう?」
柊くんに続いて先輩もなぜがギットギトのスパンコールで描かれたドクロのTシャツを持ってきた。
却下です。
目も合わさず、静かに言うと、先輩はそのTシャツを持ってどこかに消えていった。


